だから、体操がいい!6つのポイント


2017年度版の新しいパンフレットが完成しました!

「だから、体操がいい!6つのポイント」を紹介します


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2歳からだって始められる

そう、立って歩けるなら始められる。それが体操。いやいやハイハイでだって出来ますよ
もちろん側転やバク転を教えるわけではありません。その基礎となる運動を開始するのに最も適した時期があるのです。言い換えるとその力を獲得するために必要とする前提の力が整った時、これを準備性【レディネス】と呼びます。習得に関する一定の興味と心身の成長の素地が整った状態であり、なんでも早くから始めれば良いというわけではないのです。体操の基本は腕で体を支えることにあります。しっかりと支えることで逆さまにもなれるしぶら下がることだって出来ます。歩けて親と遊ぶのが楽しくなってきた子供は、親と一緒に初めてのことにチャレンジします。ちょっとした段差や坂道を全身を使って乗り越えたり、ゴロンと転がるのも体操の基礎なんです。だから2歳から始められるし、ハイハイの赤ちゃんだって。

器用になるってほんと?

指先の発達ってどこから始まるの?それは体幹→肩→肘→手首→手の順番に発達すると言われています。これは赤ちゃんが寝返り→ズリバイ(ひじばい)→ハイハイのように育つのを想像してみてください。これらの順を経て筋肉や関節への刺激が発達の道筋なんです。床に手をついた時に手のひらをしっかりと開いて指に力が入っていますか?小さい赤ちゃんや幼児はまだしっかりと手を開いていません。次第に手のひらをしっかり開いて手をつくようになると、指先に力が入りて全体で地面を押すことができるようになります。この刺激が指先までの筋肉の発達に欠かせないのです。指先の器用さは指を扱う筋肉が必要ですが、その指を扱うための固定された手首・肘・肩が必要です。物を握る力やつまむ力が生まれると、指先の力加減が調節できるのです。これで指先の発達の原理がお分かりいただけたでしょうか。そう、体操は身体を支えるのが基本。つまり、体幹→肩→肘→手首→手そして指を常に刺激しているというわけなんです。

【補足】
足も同じ原理です。重心が後ろにかかるとお尻が引けて腰が曲がります。小さな子供がバランス悪く(3頭身ですからね)よちよちしているのは・・・もうわかりますよね。指先に力が入っていないとお尻(骨盤)が前に出てこないのでまっすぐに立てません。そう、これは扁平足の原因であり、子供の外反母趾の原因にもなるのです。しっかり歩ける子供は指先で地面を捉える力が育っているので、土踏まずの部分を持ち上げるアーチが強化され扁平足にならないんです。だからと言って足の指が器用になるわけではありませんが^^;

でんぐり返しのヒミツ

でんぐり返し(前転)をしている自分を想像してみてください
一つひとつの動作にどれだけたくさんの要素が含まれているかを。
簡単そうに見えて実はすごく難しいのです。子供達が完全に前転できるようになるのは年長さんくらい。でも1歳の子供でも手をついて頭から前にゴロンと転がることは出来ます。でんぐり返しのヒミツは回ることで三半規管が鍛えられるからだろうと皆さんは思っていませんか。それも正解です。
でも、もっと大事な事があるのです。床に転がることで背中や肩、頭の先やお尻までが床に触れます。触れることで自分の体の範囲をマーキングできるのです。つまりはお子さんのカラダを全身なでてあげるのと同じこと。これは自分の体の大きさや関節の可動域を把握する「ボディーイメージ」を作っているのです。目を閉じてください。自分の体がどんな大きさでどこに手があり背中があり頭やお尻があるか感じられますよね。普段意識していなくても物にぶつからないで歩いたり、危険を察知してよけたりする事ができるのはこのボディーイメージのおかげ。
もちろん回転することは三半規管も鍛えることになりバランス感覚が良くなるだけでなく車酔いもしにくくなります。
さて、実はもう一つあります。それは目の働きに関する話。キャッチボールでボールがキャッチできない、大縄跳びが跳べない、それは目で物が追えていないから。動体視力とも言いますが、それよりもっと基本的な部分。動くものを追いかける時に頭も一緒に動きますが、目も同時に動いて(追視)います。この追視が出来ていないと先程のような事が起こるのです。でんぐり返しをすると(あまりの速さに)一瞬視界が消え、それからどこか固定できる視点を探し自分の位置や傾き加減を把握します。この新たな視点を探す動作が眼球運動を高めるのです。横にゴロゴロしたり縦に回るでんぐり返しも同じで、自分の位置を把握するために視点を移動させることで位置の把握を繰り返しているのです。つまりこの眼球運動を高める運動でもあるのです。

逆さまになるスポーツは体操だけ

どんなスポーツを見ても逆さまを維持するスポーツはないと思うんです。今でこそスキーやスノーボードのエアリアルで回転をする競技はあるかもしれませんが、逆さまの状態を維持し続ける(逆立ち)のはないですよね。回転や逆さまが何に良いのか。空間認知能力と重力感覚や抵抗感覚とでもいいましょうか。体を支える動きは、自分の体重を支える筋力を養います。それは足だけではなく逆さまになることで上半身も同じです。これは自重という最も適した重さであり、重さに耐えるための重量感覚や支えるための抵抗感覚が身につきます。小さな子供に筋トレは必要ありません。必要なのは自分の体を扱うための筋力です。
そして、自分の位置が変化した際、元に戻る為の位置確認をするのに必要な、空間の中での自分の位置感覚(空間認知能力)が養われます。特に縦横や斜めだけではなく逆さまになることで無限大の3D空間へと広がるのです。瞬時に、そして意図的にこの能力を使うには、もう逆さまになるしかありませんね(^^)

脳の発達にも効果あり

運動に関係のある神経系の発達は12歳ころまでにほぼ100%を迎えると言われています。つまりこの年令を迎えるまでの子供達は日々ものすごいスピードで脳の発育が行われています。全身を使って行う動きそのものが、脳にとっての刺激(栄養)となります。逆さまになったり飛んだり跳ねたりすることをこの時期に経験しておかなかったらどうでしょうか。その動作に必要な神経回路は十分に発達できなかった・・・もちろんその後の努力で獲得できるかもしれませんが、獲得するまでの期間や労力は経験している子供に比べると圧倒的にかかってしまう。これが何でもすぐに真似したり出来てしまう子供と、覚えるまでに時間がかかる子供の差ではないでしょうか。幼少期に様々な体験や経験は、子供本人が気づかなくても大きくなるにつれ周りから評価されたり認められることの要因となっていくのです。

とにかく全身運動!◯/36って?

「36の動き」って知ってますか?
あらゆる動きの基礎となる動作が36あると言われてるんです。NHKの「からだであそぼ」を監修している山梨大学教育人間科学部の中村和彦准教授が提唱する、歩く、立つ、蹴る、跳ぶなどの基本的動作のことです。ではこの36の動きの中で各スポーツにどれくらいの動きが含まれているでしょうか。サッカーでは10個、野球では7個、水泳では6個・・・では体操では19個。これはあくまで個人的な数え方かもしれませんが競技自体に含まれる数として数えました。つまり体操は「19/36」。でもこれは競技の話。この競技を習得するために様々な運動を取り入れることで、「27」にも「31」にも増やすことが出来ます。私たちはこの基本的動作を「36/36」に近づけるよう日々運動プログラムを構成しています。こども体操教室での活動を数えてみたところ36の動き全てを体験していました。特に「泳ぐ」はサマーキャンプの川遊び、「掘る」はたき火で体験済み、そして私達が所有するホールでのボルダリングやスイング、トランポリンでは他の子供達が経験できないような運動要素を含んでいます。